Bariberry & Lotus 2016 — 2026

泥の中から、
香りになるまで。

2016年、愛知県の蓮根農家さんで、ほんの10本ほどから始まりました。
小さな思いつきが、滋賀・長浜のみっちゃんとの出会いにつながり、
休んでいた田んぼに一面の花が咲き、毎年みんなで畑へ通う時間になりました。

Ten Years in 90 Seconds

みっちゃんとよっしー|10年のご縁(1分32秒・音が出ます)

この畑から、
バリバリーの非加熱ロータスは生まれています。

Beginning

蓮根も、蓮だよね?

各国で神聖な花として捉えられ、悟りの象徴とされてきた蓮の花。

僕は以前、ロータスの精油を手に入れたことがありました。けれど、嗅いでみると妙に強くて、なんだか肌が痒い。

日本の蓮の花から、非加熱で香りを受け取ってみたらどうなるんだろう。

香料商の方に聞いてみると、こんな話が返ってきました。みんなロータスに興味があって手に入れたりするけれど、本物かどうかは確信がないことが多い。実際に花そのものを嗅いだことがある人も少ない。精油は外国産で、天然100%と言われていても、作るところを見せてもらったことはない。

それほど、ロータスは貴重なものでした。

でも、蓮の花をとらせてくれるところなんてないよなー、、、

——でも良く考えたら、蓮根も蓮だよね?

そこから探して、2016年、愛知県のEM栽培の蓮根農家さんが力を貸してくださることになりました。わくわくしながら、花を分けていただきました。

草の上に置かれた蓮の花びらの中に、黄金色のおしべが入った小さな瓶
2016年・最初の年。花びらの中の、黄金色のおしべの小瓶

Golden Scent

黄金色の香り

作れたのは、ほんの10本ほど。

香りは、おしべのところにありました。黄金色の、香り。

本当に淡いので、普段の生活の意識ではわからないくらいの繊細な香りです。だけど、その感覚に耳を澄ますと、その香りの中に本当に豊かな世界がある。

無から有が生まれる瞬間。
有るものがまさに終わり、無へ戻る瞬間。

そんな瞬間の、祈りと祝福の香りなのだなと思いました。

試しにみなさんに使ってもらったら、すごい反響だったのです。

ロータスの香り、繊細で五感を育んでくれるような香りだね。手のひらにつけて温めたら、手のひらがぽわ〜〜んって暖かくなるのを感じたよ。

なんとも包まれる感じで、安心します。とても微細な香りです。安心して包まれる香り。何か大きな存在に守られているという感じ。

この香り、、、、なんか涙出てくる、、、、

——2016年、最初の非加熱ロータスに届いた声

もっと作ってみたい。
もっといろいろな人と、この香りを研究してみたい。

そこから、次の出会いが始まりました。

Encounter

東京・青山、隣の席

10年ほど前。東京・青山にあった、メンタルモデルの由佐美加子さんのアジトで、たまたま隣の席になった人がいました。滋賀のみっちゃんです。

2025年のロータスツアーで、みっちゃんは、その時のことをこう話してくれました。

「国産の蓮の香水を作りたいんだけど、みっちゃんのところで作れる土地はないかな」って言われた時に——私、ここが浮かんだんです。

その頃は休耕田で、死んだ谷だったんです。真っ暗な感じで、鹿の角が落ちてた。獣害で荒らされて、10年くらいもう耕作がされてない。土も死んだ状態。そういうところが思い浮かんだので。

——ああそうか、ハスだったら、そこを再生できるかもしれないなって思ってました。

——みっちゃん(2025年・畑を前にした語りより)

みっちゃんは、伊吹山の山麓で、認定NPO法人つどいの活動をしています。どんな人も存在できる場所をつくること。ほっとかれている休耕田を生かせないか、ずっと続くような産業ができないか、と考えていたところでした。

室内の花器に活けた白とピンクのロータスと、その横で笑うみっちゃん
2017年7月。勉強会に、白とピンクのロータスを抱えて来てくれたみっちゃん

The Lotus Field

「蓮植えたよ」「なんのこと?」

そこからのことは、みっちゃんがこう話しています。

町内の説明会をしたら、「そんな馬鹿なことできるかい」って言われたんですよ。だけど、どうせなら草刈りとかは無料でするって言ってしまったし、じゃあもう蓮を植えてしまおうと思って、植えてしまって。

ヨッシーに「蓮植えたよ」って言ったら——「なんのこと?」って言われた(笑)

僕のほうは、もう昔のことで覚えが薄いのですが、驚いたことは覚えています。想定していたのは、田んぼ一枚ぐらい。そんなに!?って(笑)

みっちゃんは、土地や地域の人たちとつないで、一面の蓮畑に育てていきました。いまでは、蓮だけで2ヘクタール。田んぼ一枚どころでは、ありませんでした。

いま「あいのたに」と呼ばれる場所です。蓮を育てながら、社会とつながりにくい人たちの居場所や仕事をつくり、農作業を通して、土地の風景を次の世代へ残そうとしています。

あいのたにの活動や、蓮の見頃・アクセスについては、認定NPO法人つどい「あいのたに」公式ページでご覧いただけます。

認定NPO法人つどいの公式サイトでも、「あいのたにの蓮が、天然香水になるまで」として、この取り組みをご紹介いただいています。

A Message

ある日、みっちゃんから、こんなメッセージが届きました。

どうか、あんばいよう
世の中の癒しになってほしい。
観音様の思し召しの慈愛の花だから。
祈ってます。

泥の中から花を咲かせる蓮と、土地や人の居場所をもう一度ひらいていく活動。
僕には、その二つが重なって見えます。

The Valley's Story

ハスを植えてから、聞いた物語

この谷には、あとから知った物語があります。

ここら辺は、観音の里なんです。この上に、布施寺という大きな本山があって、それにまつわる十二の坊があって、ここは門前町で。皆さんがいらっしゃるここは、上茶屋・下茶屋っていう地名です。

多分500年以上前、信長の焼き討ちで焼かれて。力のあるお寺だったと思うんですよ——信長が焼き討ちするくらい、っていうことでしょ。谷は静まり返って、宿も何もかもなくなって、町全体がなくなってしまいました。お寺は、なんと彦根城の方に運ばれて、彦根城の一部になっています。

——というような物語を、私らは、ハスを植えてから聞きました。

祈りの花を植えた谷は、もともと、祈りの谷でした。

これが仏様や神様のお導きでなかったら、なんやと思って。今はみんなで、町起こしのような活動をさせていただいています。

谷の名前にも、続きがあります。十二坊のひとつ・安楽寺の入り口の小字名は「安ノ口(あんのくち)」。みっちゃんはこれを、「あいのたに」と聞き間違えました。いまの「あいのたに」という名前は、ここから来ています。

蓮の葉の中央に、水玉がひとつ光っている
2020年7月、あいのたに。蓮の葉の中央に、水玉がひとつ

4:30 AM

朝4時半の畑には、
妖精がいる

畑の案内をするとき、みっちゃんはこう言います。

皆さんに言うのは——朝4時半に来ていただくと、妖精に会えますよ。

私は4時半に収穫に入るんですよ。そうするとね、この子たち、呼吸してるんです。スーッと行くと、本当に小さな泡のような、ふわーっ、ふわーって。「ほんとに隠れてる?」って覗きながら歩くような空気があって。ここ、谷なので、空気が沈んでますから、香りも沈んでて。

ハスって、ミツバチとかがいろんなもん持って歩くので、勝手に交配して、新品種を作っちゃうんですよ。だから、見たことのない花がここにある。「あなたは誰?」って言いながら、お花がいます。

蓮の花の中に指をつっこんでいただくと、真ん中のめしべのところが、熱いんですよ。熱発してます。虫をおびき寄せるために、香りを飛ばすために。すごいんです、この花。

2025年・畑を前にしたみっちゃんの語り(10分09秒から。このページのみっちゃんの言葉は、ここから来ています)

Every Year

毎年、畑へ通う

ロータスの季節になると、僕たちは毎年、長浜へ通うようになりました。形はいろいろに、毎年。

発案のころから、バリバリーとみっちゃんの両方を応援してくれている、ひとちゃん。一緒に行く年も、それぞれで行く年もあって、「行ったよ」と、メールで教え合ったり。みんなで、みっちゃんの蓮畑を、ちょっとずつ応援しています。

2020年のロータス観音ツアーでは、みっちゃんからロータスの話を聞き、花を摘み、ヨガや瞑想をし、最後にロータスを瓶へ漬け込む時間をひらきました。

2021年には、音楽や踊りも一緒になった「極楽浄土体験ツアー」へ。
2024年には、花の色によって香りの印象が違うことを感じながら、前年の約2倍を漬け込みました。

そして2026年。

蓮畑を歩き、背の高い茎の間から花を摘み、花びらをほどき、香りを宿すおしべを集める。その場で漬け込みたいから、一緒に行った人に手伝ってもらう——それは、初めのころから変わりません。

2026年の一日。花摘みから漬け込みまで(35秒・音楽あり)

Handwork

花を摘み、その日のうちに香りへ

ロータスの香りは、おしべのところにあります。

朝の畑で花を摘み、花びらを一枚ずつほどき、黄色いおしべを集め、その日のうちに瓶へ。

どの花を摘むかにも、畑の知恵があります。2024年の収穫のとき、みっちゃんが畑でこう教えてくれました。

みなさんに今取ってもらっているのは、バージンロータス。開いて初日、「今日開くぞ」っていうお花を取っていただいてて。

虫たちが入ると、いろんな有機物の匂いがしちゃうから。本当に初日の咲くときの、すっと鼻に抜けるメントールの、それでいて柔らかく甘い香りは、バージンロータスでしか出せないと思う。

バージンロータスで漬け込むといいよ、と教えてくれたのも、みっちゃんでした。

ちなみにこの日は、摘んだ花がひと目で「あかんわ、バージンでない」と見破られる場面もありました(笑)

みっちゃんのバージンロータス講座(2024年7月19日・2分19秒・音が出ます)

リベレーションブランド バリバリーの非加熱フレグランスは、「そのままの自分を生かしたい」という願いから生まれた製法です。植物を生命の温度帯(5〜38度)に近い環境で、時間をかけて抽出します。

ロータスも、強い熱で香りを急いで取り出すのではなく、季節の時間にまかせながら、その存在を尊重して香りを分けてもらいます。

花の美しさだけではなく、畑の朝、土や水、摘む人の手、ほどく人の会話まで。
そんな全体を壊しすぎず、瓶の中へつないでいきたいと思っています。

非加熱フレグランスについて、くわしくはこちら

おしべを、花びらから瓶へ(2026年・9秒)

People

この場所で、人の物語も動いていく

今年もいけたよ!ロータス拝みに!!

——2024年の参加者の投稿より

あのハス畑とみっちゃんが素晴らしすぎて。

——2025年の顧客インタビューより。この方はツアーの後、子どもを連れて早朝の畑を訪ねたそうです

香りを知るために来た人が、土地や人の活動にふれ、自分の暮らしや仕事の未来を重ねていく。

ロータスツアーは、商品を作るためだけの収穫ではなくなっています。

うちの製品に触れていただいた皆さんからのご感想をいただいて、うちの製品は完成していくのだなと思っています。僕だけではなくて、こうやって皆さんとのコミュニケーションでこそ、うちの製品の生命は育まれていくんです。

Playful Works

こんなことも、やってきました

蓮の花を掲げて立つ吉田恭隆と「観音認定」の印
2020年のロータス観音ツアーで、観音認定をいただきました

この谷では、遊びも本気です。

同じ学びの仲間の、アーティストのJOEが、あいのたにの蓮畑でミュージックビデオを作ってくれました。

ぱっと見は楽しい映像ですが、テーマは、夏のお盆と、手放していくこと。「違うものを見てるあなたと一緒にいれて嬉しい」——そんな話をJOEに伝えて、創っていきました。

あいのたにロータスプロジェクトの蓮畑と腹帯観音【エンドレスベイベ】(2021)

ロータスには、なんだか普遍的な力がある感じがする。そう思って、キネシオロジーで実験してみた動画があります。

ロータスはなんでも行けるのか大実験(2023・14分)

Timeline

2016 → 2026

2015頃東京・青山のセミナーで、みっちゃんと隣の席に(※年は確認中)
2016愛知県のEM栽培の蓮根農家さんで、最初の非加熱ロータス。約10本から始まる
2017みっちゃんと試作の協働がはじまる。夏、勉強会へロータスを持ってきてくれた
2018蓮畑とロータスを広げたい、という記録が残る
2019毎年の訪問がつづく
2020ロータス観音ツアー。話、収穫、ヨガ、瞑想、漬け込み
2021極楽浄土体験ツアー。JOEのミュージックビデオが生まれる
2022「ロータスのまとめページ」を公開
20237月、畑で収穫と漬け込み
2024ツアー継続。バージンロータス講座を動画に。色による香りの違いを記録。SOW調香学校の山口学長と、ロータスについての講座も
2025ロータスツアー2025。畑を前にした、みっちゃんの語りを収録
2026始まりから10年。花摘みから漬け込みまでを、写真と動画に

蓮は、お釈迦様の台座になっているお花です。
世界で一番エネルギーが高いと言われているお花ですので、
そのエネルギーを皆さん、いっぱい巡らせていただいて。

——摘む前に、みっちゃんがみんなに話す言葉

To the Scent

ロータスの香りへ

この物語の続きは、一本の香りとして手に取ることができます。

花びらの山と、非加熱ロータス(8秒)

ロータスの記事

封蝋で留めた手紙の巻物とアンティークの鍵

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