一攫千金に潜む大きな危険 龍涎香(りゅうぜんこう)の世界は非常に魅力的ですが、その裏側には多くの「危険」が潜んでいます。
特に、高額な取引が絡むため、虚実が混ざり合った情報が飛び交っており、細心の注意が必要です。
今回は、龍涎香を巡る具体的な危険性と、あなたが騙されないために知っておくべき実態について解説します。
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1. 健康を脅かす偽物の正体
まず、龍涎香だと誤解して偽物を使用することが、最も大きな危険の一つです。
もしご自身で漂着物を拾い、「これは龍涎香ではないか」と思って使おうとする場合、それが偽物であるケースが非常に多いです。
この偽物の中身が問題です。
本物とは異なり、偽物は工場から排出された排水に含まれる油や、様々な化学物質、薬物などが混入している可能性があります。
もし、これを食べたり、香りとして使用して嗅いだりした場合、健康に甚大な悪影響を及ぼす恐れがあるため、極めて危険です。実際、筆者もかつて本物かどうかを試す実験で偽物を使った際に、体調を悪くした経験があります。
2. 海外で横行する詐欺の手口
龍涎香を巡るもう一つの大きな危険は、海外で頻繁に発生する詐欺です。
詐欺パターン①:持ち込みによる購入誘導
海外旅行中などに、現地の人から声をかけられ、「これは龍涎香だから買ってほしい」あるいは「日本で買ってくれる人を探してほしい」と言われて持ち込まれるケースが多々あります。
しかし、筆者がこれまでに聞いた15件から20件ほどの事例の中で、本物だった試しは過去に一件もありません。
また、日常的に海外の人物から声がかかることが月に1〜2件程度ありますが、これも本物だったことはほぼありません。
もし、その偽物を高額で購入し、日本に持ち帰って使用した場合、工場排水などの偽物を使った時と同じような有害な現象が起こる危険性があります。
詐欺パターン②:「政府の証明書」付きの偽物
さらに巧妙な手口として、海外で見つかったとされる龍涎香には、「政府の証明書」や「海外の研究所が出した証明書」が付属している場合すらあります。
しかし、そうした証明書がついていたとしても、持ち込まれるものはほとんどが偽物であるというのが実態です。
3. メディアの報道にも潜む虚実
海外では、「漁師が何キロもの龍涎香を発見し、一攫千金を得た」といった報道がされることがあります。
しかし、そうした報道で公開される写真を確認しても、「全然龍涎香ではなさそう」なものが多く、それが本物だったという確率は低いのが現状です。
後に関係者に話を聞くと、「実際は本物ではなかった」という事例も多く、龍涎香に関する話は、真実と偽りが入り混じった世界なのです。
4. 騙されないための注意喚起
龍涎香がさらにメジャーになっていくにつれて、今後ますます詐欺が横行することも予想されます。
一攫千金(せんきん)に目が眩んでしまうと、冷静な判断ができなくなり、結果として騙されてしまうことになります。大きな儲け話には詐欺がつきものだということを理解し、絶対に騙されないよう細心の注意を払ってください。
<無料鑑定に関する補足>
バリバリーでは、日本国内で見つかったものに限り、龍涎香文化を広めるために無料鑑定を実施しています。海外で見つかったものに関しては、上記の理由から鑑定の対象外としていますので、ご注意ください。
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この龍涎香の世界を理解することは、まるで霧の深い市場を歩くようなものです。
魅力的な商品が並んでいても、目を凝らして見極めなければ、有害な偽物をつかまされ、大金を失うことになります。
信頼できる情報や経路を確保し、「一攫千金」という甘い誘惑には乗らないことが、自己防衛の鍵となります。



